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甘凱の急な変貌と当人さえ分かっていないらしい謎のセリフに、優太は恐ろしさを沸々と感じていた。
甘凱のイメージは次の通り。
イケメン。
人気者。
女たらし。
意地悪。
そして今新たに『怖い』というワードが優太の脳内で生成された。
確かに怪我をして歩けない所を結果的には、助けては貰った。
そして、頭部の打撲についても保冷剤を持ってきてくれて…それには感謝している。
けれど、先程の保冷剤を無理矢理押しつけたり、顎が砕けるかと思うほどの力で掴んで冷めた目で見るのはやめてほしかった。
怖いとしかいえない。
今も不思議そうに見られている。
この視線さえ今は避けたかった。
とにかく、この場所から離れたい。
安全な教室に戻りたかった。
「…そういえば、お前名前、」
「おい、お前達。何してるんだ?!」
ちょうど甘凱が口を開いた時だった。
それと同時に、声が掛けられた。
そちらを見ると、中年の男性教師がこちらへ向かって歩いて来ていた。
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