平凡な日常

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市内で北側に位置する高台の上に、その高校は建っていた。 比較的自由な校風の公立高校で、戦前からの歴史を持っており、有名人も何名か輩出していた。 全校生徒約1,200名で、男女の比率もほぼ同等。 部活動も盛んで、サッカーとテニス部はまぁまぁ強い。 バスケ部とサッカー部にイケメンが集まるのは、定番で。 周辺の学校はブレザーになる中、学ランと女子のセーラーが良いという理由から、いつも受験は倍率がほどほど高い。 そんな学校に何処にでもいると思われる平凡な高校生・日生(ひなせ)優太(ゆうた)は通っていた。 平凡に相応しく、少し鈍臭く、人の良い性格をしていた。 なので、これも定番。 教師から宿題のノート集めを言いつけられていた学級委員女子から『重たくて運べないからお願~い♪』と強引に頼まれ(これで3回目)、か細い作りの優太は若干フラつきながら宿題のノートを届けた。 その職員室で会った体育教師に、午後からの体育の準備を頼まれ何とも運の悪いとしか言いようが無い。
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