救いの声

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さっきの傷口への仕打ちと、頭突きのトラウマが脳内を揺さぶってくる。 「おい」 「…」 「こら、平凡」 「平凡って言うな!!」 「なら名前言え」 ぐぬぬっと唇を噛み締める。 答えたくないが、答えなければ解放してくれない雰囲気だ。 「これは飾りか~?」 「痛タタタッ !!」 知らんぷりする優太の耳を摘まんで引っ張りだした甘凱は、フフンと笑う。 「なら答えろよ」 「ううっ」 またまた涙がちょびっと出てしまった優太に、甘凱が顔を近づけてきた時だった。 「あら、あら、まぁ~?」 そこへ第三者の声が割って入り、耳を解放されて優太はホッとするのだった。
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