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頭を強打した優太は、その音さえも響いてしまう最悪な状態だった。
足の怪我だけのはずが、まさか保健室を目指すだけで怪我を増やすとは、本当に情けない。
この男にお姫様抱っこも情けなさに拍車をかけていた。
「…ううっ、もう自分で…ううっ」
「はぁっ?この状態でよく歩くとか言うな、お前」
確かに足は痛いし血が出ている。
頭ももっと痛くて、ガンガンしているからこのままがいい。
このままが…。
けれど、優太のプライドが許さなかった。
この男に、お姫様抱っこをされているという事実が!
その時だった。
廊下の向こうからキャーッ!!という悲鳴が上がったのは
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