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頭に響く甲高い悲鳴に、優太が眉間に皺を寄せてそちらを見ると女子が数人。
優太と甘凱の二人を指差している。
「やだーッ!甘凱くんが、お姫さま抱っこしてる~!!」
「ウソッ?!男子じゃん!!」
「ヤダヤダ~!写メ、写メ」
などと、大騒ぎ。
そして驚くほどの早業で、写メを撮り始めた。
同じく慌てたのは優太で、声を掛けて制止するが全く女子には伝わらない。
近くに居た眞鍋は「あらまぁ、素敵な写真が撮れたかしら?」なんて呑気に傍観している。
どうにもならないと優太は両手で顔を隠した。
すると、甘凱が優太の顔を自分の胸元に押し込める。
「お前ら、やめろ!…ったく、相手は病人。体調悪くてこれから保健室。騒ぐなよな」
甘凱の鶴の一声で、女子は「分かったわよ~」「ごめんねぇ」と、しおらしく謝っている。
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