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スノードーム
ああ、気づくとスノードームの底にきらきらが溜まってしまっていた。
僕はスノードームをひっくり返す。
ふわふわと舞い落ちる雪片が心を透る。
懐かしい夏の思い出。
怪獣のくちのように見えた金属製の壁は今も残っているだろうか。
バッタの匂いと草木の汁が手を伝うようだ。
ぴーんぽーーん
チャイムが鳴る。
残暑の暑さに焼かれながら、僕はニヤニヤと笑みを浮かべて、玄関へ宅配物を受け取りに行く。
どうあれ、明日は良い日に違いないんだ。
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