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レパードは腰のホルスターから拳銃を抜いた。
もう四十階に到達している。ジャグラーのいる四十四階が近い。リッシュも拳銃を抜く。チャンバーチェック。
四十二……四十三……
レパードの目配せに応じて、扉脇に控える。銃口を下げて身をかがめる。
間の抜けたチャイムのあと、扉が開いていく。
扉の隙間からサブマシンガンの黒い銃口が覗いた。
「フ」レパードが嘲弄の笑みをこぼした。敵の間抜けさを笑っているのだ。すかさず銃口を蹴り上げる。
暴れ狂うような連射がエレベーターの鏡面を下から上へ、天井部のハッチに至るまでに火花を咲かせた。扉の向こう側に立っていたのはサブマシンガンを構えた覆面男。
レパードは低姿勢で飛び出し、覆面男の股間と喉に拳を入れ、潜り込んだ懐から胸に接射。絶命した男が取り落としかけたサブマシンガンをリッシュが奪い、エレベーターホールで待ち受けている一団めがけて撃ちまくる。
男たちの悲鳴を二三、耳にして、弾が尽きた。サブマシンガンを放棄し、拳銃を両手でグリップする。一拍遅れて応射が来る。
「先輩」エレベーター内部から、覆面男を盾としてホールドするレパードに伝える。手榴弾のピンを抜く。
「行きますか」
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