犬のおまわりさん

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武装解除された不法人足たちは、体との神経接続を遮断され移送される。犬頭の隊員は6人、一個分隊までに増えていた。 手に未だ血糊が残る隊員が、蛇のようなバイク に乗った犬頭に謝罪する。馬に乗っているだけあって、高位にある者のようであった。 「すみません、隊長。一人逃がしました」 若い声。中性的ですらある。その頭に似つかわしくないのは確かであった。 「構わん。敵の目的は挫いた。原田、他の分隊の状態を伝えろ」 こちらは階級相応に年のいった声。それでも広義の青年、30代前後のようであった。 原田と呼ばれた、バックパック型の通信装備を背負った犬頭が答える。 「第2分隊は敵2群をほぼ全滅に至らせました。3分隊は敵3,4群を完全に掃討し、現在壊乱状態にある2群を、2分隊と協同して包囲するためA道を前進中」 「続けさせろ。掃討が完了次第第一分隊と合流。駐屯地に帰還する」 「逃げたのはどうします」 「俺と新津で追う。地下鉄の路線なら速い方がいい。新津、用意しろ」 「了解」 中性的な声の犬頭、新津は、答えると共に洗浄液を吹き掛け手の血液を取る。極小の車輪を空回し、頷いた。動作は十全である。 「ですが、地下鉄は8分20秒後に車両が通過すると」 「3分で片付ける」 細長いバイクのガスタービン機関が唸る。
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