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マリネは、オルクス襲撃の際に聞きそびれた、組織を牛耳る者の正体について聞く。
「ふむ、やはりそれですか。まあよいでしょう」
「解るの?」
「完璧ではありませんが……」
「流石ね」
「ですが、これから話す事は決して他言無用でお願いしますね」
「ええ」
船内のスイートルームには、新世界のメンバーとブカレスしか居ない。
完全防音とは言えないが、大声で話さなければ外から声が漏れる事もないだろう。
それにも関わらず、ブカレスの声がさらに小さくなる。
「失望の赤雷姫フィレ、欲望の白魔姫ネーヴェ、あともう一人は絶望の黒という二つ名しか解りません」
「三人も居るの?」
「誰も聞いた事ないわね……」
遂に明かされた組織を支配している者の名前。
全員が驚き、困惑し、そして考え込んでしまう。
「あの、他にその人たちについて何か解りますか?」
「残念だが名前までしか解らないのです」
ユキも他の新世界の面々も同様に、この場に居る全員が彼女らの名前を聞いても、全く解らなかったのである。
「調べても出てこないところから、平民出身の者かとは思いますが……」
裏組織、非合法ギルドの長。
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