47. 老練なる一手

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 ユキもどうにか打開策を考えたがまるで思いつかず、他の新世界の面々も完全に手詰まりだった。  もう残す手は、ブカレスを無理矢理力ずくでねじ伏せて情報を聞き出すしか無い。  全員がそう思い、最も悪く美しくない手段を取ろうとした時だった。 「待ってください。落ち着いて、武器をしまって座ってください」 「何を言っているの? こっちは顔がばれてしまった。こうなったらあなたの命を奪ってでも――」 「まあ落ち着きなさい。聡明なマリネ殿らしくありませんぞ」  急にこの人は何を言っているのだろう?  仮にこの人の言うとおりにしたら、私達の事が知られているから、絶対に報復なり抹殺なりしてくるはず。  組織ならば、まず間違いなくそうする。 「別に正教はあなた方を敵視しません。あなた方がここでこのような行動をするという事は、何か意味があると思われまず。だから、ここで起きた一件は私事としてなかった事にしましょう」 「そんな約束を信じると思っているの? 組織に私達の正体が知れてしまった以上、情報を聞き出せなくてもあなたを生きてここから帰すわけにはいかない」 「……何か重大な勘違いをしていませんかな?」  勘違い?  本当に、この人は何を言っているの?  今更命乞いをしている……?     
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