48. 転機は急に訪れて

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 マリネは、オルクス襲撃の際に聞きそびれた、組織を牛耳る者の正体について聞く。 「ふむ、やはりそれですか。まあよいでしょう」 「解るの?」 「完璧ではありませんが……」 「流石ね」 「ですが、これから話す事は決して他言無用でお願いしますね」 「ええ」  船内のスイートルームには、新世界のメンバーとブカレスしか居ない。  完全防音とは言えないが、大声で話さなければ外から声が漏れる事もないだろう。  それにも関わらず、ブカレスの声がさらに小さくなる。 「失望の赤雷姫フィレ、欲望の白魔姫ネーヴェ、あともう一人は絶望の黒という二つ名しか解りません」 「三人も居るの?」 「誰も聞いた事ないわね……」  遂に明かされた組織を支配している者の名前。  全員が驚き、困惑し、そして考え込んでしまう。 「あの、他にその人たちについて何か解りますか?」 「残念だが名前までしか解らないのです」  ユキも他の新世界の面々も同様に、この場に居る全員が彼女らの名前を聞いても、全く解らなかったのである。 「調べても出てこないところから、平民出身の者かとは思いますが……」  裏組織、非合法ギルドの長。     
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