お悔やみ様

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お悔やみ様

夏というのは、大概の人間が避暑を求めます。 それが日中のプールや海、または川辺のバーベキューなんかでしたら、私も楽しんで参加する気になったかもしれません。 けれど高校一年の夏休み、クラス親睦と称したイベントは学校に届けを出して教室に宿泊。 それも夜半に百物語をやろうといったものでした。 担任はまだ若くしかもノリの良いアラサー男性だったので、保護者としてイベントに同行することを快諾。 ここで担任が却下してくれていたら、と未だに思います。 もちろんクラス全員参加です。強制されなくても、ここで不参加の意を唱えたら教室で「空気」になってしまうのは目に見えていますから。 クラスのカースト上位が面白がって企画することに、私達下位の人間は笑顔で頷くしかありません。 クラスは38人でしたので、一人三つは話を用意して、三回目はランダムで出席簿で指して話す。話すの二回になる人もいるから、聞いてもらいたいやつは二回目までに発表しちゃった方がいいよーとの事でした。 もちろん火はダメと釘を刺されましたので、代わりにキャンプ用の蝋燭(ロウソク)型LEDを用意し、話し終えたら明かりを消す。といった雰囲気だけのものになりました。
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