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エピローグ
「傭兵さん。」
シロは、此処から出ていく烏を呼び止めた。
「今日もありがとうございました。」
「僕ね・・・やっぱり大きくなったら 傭兵さんみたいになりたいや」
シロは、笑顔で、烏にそう答えた。
烏は、今まで被っていたマスクを外し
シロの目を見て 「そうか。早く大きくなれよ」と返し。
シロは、嬉しそうに
「おやすみなさい。傭兵さん」と
深い眠りについた。
数分経った後、烏は、冷たくなっていくシロを確認し
建物から出て行こうとする。
ゴホンッといつもの様に 烏が咳き込むと
床に、透明な水と。血が落ちる。
烏は、ゆっくりポケットから カプセル状の薬を
咳き込みながらも、2錠 口に含んだ。
そしてゆっくり 呑み込んだ。
ゴホッ ゴホッと。
烏は、再び 動かなくなったシロを見て
まだ出逢った頃に話した シロとの会話を思い出していた。
【傭兵さんの右腕の大きな傷って】
【これか?これは、昔戦場でね】
【じゃぁ飛べないの??】
【あぁ、その日から飛べなくなった・・・だから傭兵を辞めた】
【そっか。だったら僕が大きくなって飛べるようになったら
傭兵さんを空に連れてってあげる!】
【大きくなったらって・・・】
【だから安心して! 僕が傭兵さんの翼になるから!!】
【・・・楽しみにしてるよ】
【うん!!早く大きくならなきゃ!!】
烏は、ゆっくりと扉を開け、泪が零れないように
空を見上げた。
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