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【前編】いつもと同じよう日々
≪カレハ王国≫
この国は、クワコ一族が暮らし
沢山の木々に囲まれた小さな王国で在る。
その小さな王国に、小さな繭の形をした建物が在り、
此処に、この国の王子 “シロ”が、隔離されている。
国では、シロが大きな病気を抱えてるとして。
建物付近では、マスクを着用する事を義務付けられている。
その為、烏は、常日頃マスクを着用し、この国で過ごしている
今日も、いつもの様に、シロのお守を終えた烏は、国王の元を訪ねた。
「シロの様子は、どうだ?」
国王は、ギョロリと烏を睨み訊ねた。
烏に執っては、これも日課である。生まれつき身体の弱いシロの
面倒を見れる存在を探していた国王が、他国の噂を耳にし。
各国で、活躍した元傭兵の烏を、子守りとして、雇い
毎日、半日シロの面倒を見て、その日の体調・状況報告をさせているのだ。
「本日も、変わりなく。今も眠りについております。」
「そうか・・・。」
国王は、深い溜め息を吐き、再び烏を睨んだ。
その溜め息に続く様に、烏は、ゴホンっと、話を続けた。
「王様。シロ様は、今は、落ち着いては、いますが、いつ何時体調を崩されるか・・・。」
「在っては、ならぬ。」
国王は、自分よりも大きな烏を深く睨み、威嚇する様に、言葉を続けた。
「シロは、いずれこの国を任す 王になる者。病気などに負けていては、国一つ守れぬ。」
「それに・・・」
「万が一の事が在ってみろ。高い金を払って雇っているんだ。」
「どうなるかわかるか?」
烏は、表情を変えず頷き。その場を去った。
王がいる城から、立ち去り、人気のない場所まで来た烏は、
とある人物に電話を入れた。
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