【前編】いつもと同じよう日々

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電話越しから、ガラガラ声が鳴り響いた。 『調子は、どうだ?』 電話の相手は、烏が最も信頼を置く オオヒキだ。 「順調ですよ。ご心配なく・・・。」 『そうか。あまり無茶は、するなよ』 「・・・はい。」 『しかし、まさか“戦場の鬼”と言われたお前が、今や王子の子守りとはな・・・。』 「・・・」 『右腕は、まだ痛むか?』 「えぇ・・・時々。」 『そうかい』 2人の会話に少しの沈黙が生まれ、オオヒキが、本題に入った。 『で?どうだ?"例の薬”の効果は?』 烏は、ポケットから いくつかの薬を取り出す。 「ゴホンッ。えぇ徐々に王子の身体を蝕んでいますよ」 【COCOON(コクーン)】 最近開発されたカプセル型の毒薬。 徐々に、その毒が、身体に回り。 成人男性なら半年、子供ならば3ヶ月で、命を落とす。 徐々に効いてくる為、中々COCOONの影響と発覚する事もなく 今、闇社会では、徐々に出回る優れものである。 『そうか。今服用して何カ月目だ?』 「現在2カ月目と、4日。」「恐らくそろそろ効き目が、出てくる頃かと」 『わかった。では、我々もそろそろ動くとするか。』 「・・・了解しました」 『相変わらずお前は、ポーカーフェイスだな』 「はぃ?」 『いや、なんでもない。』 『決行は、お前の合図に任す。頼んだぞ 烏。』 そう言いオオヒキは、電話を切る。 これも烏の日課で在った。 子守りとしてクワコ王国に、潜入し。 COCOONを王子に、飲ませ。その効き目の報告をする。 そして、国の侵入口の確保から、どう攻め落とすかまでも オオヒキに報告し、その日の為に、動く事。
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