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プロローグ
「・・・お前は、自慢の息子だ。」
烏(カラス)が憧れる父は、この国の国王。
強く幾度の戦いを乗り越え、国を守ってきた英雄で在る。
烏は、そんな父親に憧れを抱き
自分が育った国を守る為、次期王として、学べる知識を学び
父を超える為、剣術を学び、国に住む民の声に答え
国民からも、父親からも信頼される存在となった。
18年目の春を迎えた時 稽古を行う傭兵が、変わった。
彼の名は、“オオヒキ”
この国では、珍しいカエルの種族の傭兵だ。
1時間の稽古が終わり、烏は、一礼し、
稽古を終えようとすると、オオヒキが、烏に言った。
「お前の人生は、楽しいか?」
その言葉に、疑問を覚えた。
≪お前の人生≫っとは、何だ?
僕の人生は・・・。
続けて、オオヒキが放った。
「国の為、王になる為・・・。まるで、この国の人形では、ないか」
その言葉に、烏は、自分とは、何者なのか少し考えた。
いや、自分は、この国の為。父を超える為。
しかし何処か、自分の気持ちに迷いが見えた。
「“自由”に、生きたいと思わぬか?」
オオヒキの言葉に、魅力を感じた。
しかし、自分は、この国の次期王。何を迷う事が在るのだ。
烏は、その場を立ち去り、自分の部屋に戻る。
しかし、どうしてもオオヒキの言葉が、頭から離れなかった。
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