4・すれ違う良心

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『こちらラングレー、 スターリバー、あなたに伝えることがあります。 私はあなた達双子をよく知る者である。 私の言葉に耳を傾けよ。 本来あなた達は中国情報局の人間ではない。 ましてや日本の公安にいるべき人間でもない。 この鍵は解読される恐れがあるためこれ以上は伝えられない。 あなた達双子の出生に関する情報を掴んだ。 だから危険を冒してまであなたに伝えることを決意した。 このことは妹には秘密である。 私とやり取りする方法を考えよ。 もし知りたければだが。 とりあえず今の公開鍵で返信せよ。 ルイス』 (え? 何これ? 気持ち悪い・・・) 『あなたのできる言語は何でしょうか? 日本語は分かりますか? スターリバー』 『日本語は理解できる。私の担当地域が日本ですから。 ルイス』 『了解しました。それでは私の送る英文から日本語を汲み取ってもらいたい。それは毎回いくつかの符号を別送信で送る。E1、V5、b3号により読み方は変わる。それに従い日本語に再構成する。今後EメールはPGPで行う。それでもこのアナログ暗号書面で送信します。 スターリバー』 『了解した。 ルイス』  何のことだか分からないが、自分たちの出生に関することなどと言われて無視はできない。公安内部の者でもなさそうだ。しかしなぜCIAがわざわざそんなことを伝えてくるのだろうか?「ルイス」とは何者なのだろうか? 半信半疑で始めたこのルイスとのやり取り、それが後に姉妹の確執を再び広げていくことになるのだった。
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