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安田は古畑光太郎って作者の書いた『菱刈一族殺人事件』を読んでいた。
古畑は安田と同じ伊佐市の出身だ。
そういや昨日はびっくりしたな?
帰りの列車の中で殺人事件が起きた。
被害者はせせらぎ学園の教師だった。
司法解剖の結果、体内からシアン化合物が見つかった。青酸カリに含まれる成分だ。被害者の乗っていた車両は満員だったらしい。
犯人は混雑を利用して被害者の小型注射を首筋に刺したようだ。
亡くなったのは越智竜平ってゆー先生だ。
『菱刈一族殺人事件』は、浅間山が舞台だ。
2008年2月2日、浅間山が噴火した日に菱刈隆秋の末裔たちが次々に殺されていく。
殺害されたのは3人、菱刈豊(遺伝子学者)に豊の娘の菱刈君枝(大学生)、黒谷雅治(豊の弟、女優の黒谷千鶴の夫)。
菱刈孝秋は室町時代、相良氏や蒲生氏と共謀して島津氏と対抗した。
菱刈氏は大口城を居城とした。永禄12年(1569年)に島津氏に奪還される。
その日に噴火があったのは事実だ。
「バラの殺虫剤は無味無臭って知ってた?」
安田は高城瞳の顔を見て言った。
バラの殺虫剤をコーヒー、水、紅茶に入れて真犯人は菱刈一族に復讐をする。
「くだらないこと言ってないでシューカツしなさいよ?」
瞳の家は菅原神社の近くにある。
リストラに遭って両親から毎日ガミガミ言われている。だから、瞳のアパートに逃げていた。
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