雨の子

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___あの子が事故に遭った。 その知らせを受けたのはちょうど帰宅途中で。 電車に乗っていた私は急いでその電車を降りて病院の方向の電車に乗り換えた。 駅について病院までタクシーに乗って移動しているとき、窓に、ぽつり、ぽつりと雨粒が落ちてきた。 私はそのとき、何だか不吉な予感がしてならなかった。 嫌な予感であればあるほど、妙に当たるものである。 あの子は、娘は、私が病院に着いて少ししてから亡くなった。
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