雨の日は嫌だ

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今日は雨だから、ベランダのトタン屋根の外にまで広々と干せない。雨の振り込みを考えるとトタン屋根がカバーできる面積の3分の2ぐらいで建物寄りに収める必要があった。 厄介なのは悠太のおねしょシーツ。悠太はほぼ毎晩おねしょする。布団はセーフだが、シーツとおねしょシーツは毎回洗わなければならない。これが場所をとるのだ。空いたところにほぼ5センチ間隔、満員電車のように詰め詰めに洗濯物を干し、何とか収まった。 「この間隔じゃ、乾いてもきっと臭うな」と思うが、しかたがない。部屋干ししても同じことだ。 「これだから、雨の日は嫌だ。」 知樹が出勤するのを見送って、2人に保育園に行く準備をさせながら、ちゃっちゃと化粧と身支度を整える。いつもはこれで出発となるのだが、今日は雨が降っている。 荷物を濡れないように大きなゴミ袋に入れ、レインコートを2人に着せ、自分も着て、長靴をはかせる。フードが飛ばないようにフードの上からヘルメットをつけ、準備完了。玄関を出て、鍵を閉めようとしたら、鍵がない。そうだ。いつものバッグの中にいれたままだった。
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