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全速力で自転車を走らせ、駐輪場へ。なじみの駐輪場のおじさんに声をかける。レインコートを脱いで子どもの分と一緒に前かごに入れた。この辺のママ達はみんなそうやっていて、なくなることはなかった。中には広げて自転車に干している強者もいた。
急いで駅のエスカレーターを駆け上がり、改札を通りながら、電光掲示板をチェックする。予想通りいつもの電車は10分の遅れ。
「間に合いそうだ。」
そうこうしているうちに電車が到着。いつもの電車に何とか乗れた。10分の遅れなので遅刻は免れそうだった。つり革を持ちながらホッと一息する。ほぼ満員の電車の車内は、濡れた衣類から立ちのぼるのか、傘からか、わからないが、雨の日特有のむっとむせかえるような湿った臭いで充満していた。
「これだから雨の日は嫌だ。」
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