2

22/56
前へ
/274ページ
次へ
 首を振って唇を離した。間近にある光司の顔を手で押しのけて息継ぎする。扱く手を止めてくれたので助かった。それでも心臓は爆発しそうだし、光司の匂いで頭がくらくらする。  黙ってこちらを見ていた光司が至近距離で目を細めた。影になったあかるい瞳に光が差して、一瞬金色に見えた。のぼせたように笑う顔がすこし怖くて、それ以上に綺麗でぞっとした。 「トモの、これ」 「うぁ」  亀頭を指先で擦られて声が出た。 「おれの中に挿れるの。わかる?」  セックスなんてしたことない。それでも、光司が言っている意味はわかった。男同士でどうやるのかなんて考えたこともなかったのに。  光司が腰から降りてすぐ隣に横たわる。細くて白い体は肘や膝の関節がじんわり赤く染まって、いやらしい、と思う傍ら、こんな白猫見たことある、とも思う。光司は間違いなく猫科だ。綺麗な見た目をしているのに、容赦無く噛み付いてくる。 「ここ、触ってみて」  素っ裸で、真昼間の明るいベッドに並んで横になって、光司が聞いたことのないような声で囁く。体の深いところから響くような声は甘く低く掠れていて、耳に吹き込まれるとぞくぞくした。促されるまま引かれた手を動かすと、尻の奥に指が当たった。 「さっきキレイにしてきたから、これで、ほぐして」     
/274ページ

最初のコメントを投稿しよう!

933人が本棚に入れています
本棚に追加