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「で、なに? すごい顔してるけどどうしたの」 「え。嘘、なんか変?」 「睦月いつも白いけど、真っ白通り越して青いし、目が怖いよ。なんか怒ってる?」 「え? マミに? なんで?」 「私じゃなくて。睦月から誘うなんてめずらしいじゃん。なんか相談事かなって思ったよ。うーおなかすいたー」  アイスティーにシロップを入れてマミは黙る。別に睦月が喋っても黙っても気にしなさそうで、そのタフなマイペースさに助けられるような気がした。  本当は模試の申し込みだけして帰ってもよかったのだが、なんとなくマミと話したくなって、今朝、予定も聞かずに勝手にご飯でも食べようと決めた。マミが本屋でバイトしていることは知っていたし、シフトが合えば、くらいの気持ちだったのだが、本当にタイミングが良くて助かった。今日は午前だけ講義に出て、午後からバイトだったらしい。 「ちょっと、今朝、しくじったかも」  ファミレスの机に突っ伏して、暑さと冷房でガタガタになった体がなんとかなるのを待った。マミは聞いてるよー、という顔でアイスティーを啜る。 「友宏とちょっと気まずい……かも」 「なにあったのって聞いてもいいやつ?」 「いや……言えないから聞かないで」 「ん、じゃあ聞かない」     
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