3

11/71
前へ
/274ページ
次へ
「睦月ぃ! 遅いよぉ緊張した! なんで二人にするの?!」 「え? ちょうどいいなーって……ごめん?」 「いや鍵忘れた俺が悪いんだけど」 「マミはむしろラッキーじゃん?」 「ラッキーだけど! コンディションとかあるし! 今日睦月にしか会わないと思って普通だし!」 「普通でいいじゃん?」 「よくないよぉ……無理もうダメ……」  マミが真っ赤になって首を振るので、助けを求めて睦月を見た。睦月は涼しい顔で首を傾げている。 「写真とか撮ってもらえば?」  思わずコーヒーを倒しそうになった。 「睦月、その、俺の顔とか一応売り物なんだけど」 「マミはその辺大丈夫だと思うけど」 「いや、俺も撮られるときは一応コンディションとか考えるんだけど……いやいいけどさ」 「マミ、いいってさ。スマホ貸して」  睦月は勝手にマミと友宏の間の席に座り、テーブルの上のマミのスマホを取った。勝手にカメラを起動する。 「マミ、ちょっと寄って。友宏もこっち」  カメラを構えた睦月に乱暴に引き寄せられて驚いた。マミがおずおずと睦月にくっついて、睦月を間に挟んで三人で並んだ。 「とるよー」     
/274ページ

最初のコメントを投稿しよう!

932人が本棚に入れています
本棚に追加