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 友宏と睦月がキスをしても、きっと光司は怒らないだろう。笑って嬉しそうに言う。大好きになるって言っただろ? トモも睦月も、ふたりとも。  都合が良すぎるだろうか。  しかし、光司はそういう奴だった。  光司は、こんなことでは怒らない。 「お線香、いるかなあ」  光司の写真を見つめた睦月が言う。 「いらないだろ。それよりスタバの新作とか持ってきた方が喜ぶと思う」 「そういえば、会った時いつも甘いやつ飲んでた」  そのまま二人で黙って光司の写真を見つめた。写真の中で、光司は相変わらず微笑んでいた。睦月とは違う、鮮烈で色っぽい顔で。  それから友宏が適当に焼きそばを作って、その間に睦月が皺まみれのシャツを洗濯機に放り込んで、二人で夕飯を食べた。喪服を脱いでしまえばもういつも通りで、それぞれ好きな時間にシャワーを浴びて好きな時間にベッドに入った。 「友宏……おきてる?」  夜、真っ暗なベッドで、睦月が微かに囁いた。 「ん」  半分眠っていたので返事だけする。同じベッドで寝ていてもベッド自体が広いので、隣の様子は意識しないとわからない。 「……くっついてもいい?」  こっそり、秘密を告白するように言われた。睦月が隣でじっとこっちを見つめている気配がした。     
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