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 動こうか迷った。迷ってすぐに、睦月に回りくどいことはしないでおこうと思った。気が回りすぎる睦月のことだ。きっと友宏が迷っていることも、気配は察している。 「背中と、前。どっちがいい」  天井を向いたまま聞いた。睦月は隣で少し迷って、呟く。 「前」  寝返りを打った。睦月の方に向き直って、腕を伸ばした。  暗闇の中で、睦月がおずおずと近寄ってきた。恐る恐る腕に乗せられた頭を抱えて、ずれたタオルケットを睦月にかけてやる。 「頭、もうちょっと上。そこだと腕痺れる」 「……これくらい?」 「そう……首んとこに腕が入る感じ」  二人でごそごそと体勢を調節して、具合のいいところで互いに腕を回した。抱えた睦月は小さかった。 「光司ともこういうのした?」 「たまに。でもあいつ寝相最悪だったし、デカいから収まり悪かったけど」 「友宏が腕枕する側なんだ」 「どっちも。したりされたり」 「光司の腕、どうだった?」 「どうって……硬かった」 「ふうん……友宏の腕、筋っぽい」 「痛い?」 「ううん。ねえ、おれと友宏って、セックスするの?」 「は?」  なんの脈絡もなく言われて目を開けた。暗闇の中、睦月は真面目な顔でこちらを見ている。 「告白で、キスで、同居してて、その次ってセックスじゃない?」     
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