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 社長が操作するタブレットを眺めていると、急にパジャマ姿で横たわる光司が大写しになった。薄暗いベッドの上で、眠たげな視線がカメラの少し下を見ている。じっと見つめていた目が不意に緩んで、光司が笑う。 『かわいい……。起きた?』  睦月の隣で、友宏が息を呑んだ。 『なに、こっち来る?』  眠たげな甘い声が響く。見つめる視線が優しくて、同性の睦月でさえ胸がきゅっとなった。間接照明のオレンジが揺れる静かな映像の中で、光司が幸福そうに微笑む。 『まだ眠いんじゃん、でっかいあくび。ほら、おいで』  光司が囁いて、カメラの下の誰かに手を伸ばした。アップになった顔が愛おしげに緩む。  友宏を横目で伺うと、胸が苦しくなるような顔をしていた。きっと似たような目で見つめられたことがあるのだろう。睦月は知らないけれど、恋人の前でだけ見せる甘やかな顔が、光司と友宏にもあるはずだ。 『撫でられるの好き? いいよ、もっとしてあげる』  BGMもなく、光司の声は吐息まで拾うような近さで響いた。  画面の光司が体ごと腕を伸ばした。光司のパジャマの胸がアップになって、画面越しにさえ体温が感じられそうな気がする。そんな中、不意に「みゃー」と鳴き声が聞こえた 『小さいなー。お前いくつ? 二ヶ月? 赤ちゃんじゃん』  再び横になった光司が抱き上げたのは、手の中に収まりそうな仔猫だった。画面端に流れるテロップ。『イケメンと猫 ~速風光司編~』     
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