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 同じベッドで眠ることにはすぐ慣れた。あまりにもベッドがでかいので隣にいることは思ったより全然気にならない。睦月が眠ってからベッドに入ってくる友宏は、ちょっと気にしているかもしれない。でかくても掛け布団は一枚だ。  たまに夜中に目を覚ますと、友宏は息をしているのか心配になるくらい静かに眠っていた。こっそり泣いている夜もあったが、それについては知らないふりをした。そういう日は隣に眠るのが自分であることが申し訳なくなった。  速風光司は、もういない。  友宏は段々と、日を追うごとに忙しくなるようだった。  元々葬儀の後から少しの間仕事をセーブして貰っていたらしい。本人曰く「いつも通りのスケジュール」になったのと同時に、今度は体重が落ち始めた。  食事が減った。  家にいる時間が減った。  疲れた顔をすることが増えた。  睦月は相変わらず暇だったので、受験勉強をしたり家事をしたりしていた。暇だったので友宏の分の洗濯や掃除もやった。友宏は朝早く出ていって、睦月が眠る直前に帰ってくる。 「忙しいね」  夜中に返ってきた友宏に言うと、疲れた顔で笑った。 「忙しいほうがありがたいよ。売り出してもらえない若手なんて掃いて捨ててもまだ余るくらいいる」  とっておいたご飯を出してやると、友宏はほんの少しだけ手をつけた。 「ごめん、ありがたいけど、いま体絞ってるんだ」 「別に太ってないじゃん」     
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