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「え、だってお前おれのこと好きだろ? おれも好きだし、おれたぶんだけど上手だよ? いや、セックス嫌いってタイプなら仕方ないけど」 「待て、いつそんな話になった」 「今?」  光司は友宏の顔を見て真面目に言う。 「トモ、童貞だった?」 「はあ?」  当時十七歳の友宏にとって、こんなにデリカシーのない人間は初めてだった。  友宏の顔を見て光司は悪意なく笑う。 「心配ないって。おれ優しいし優しくするし、最高に気持ち良くするし」  そうしてまだコートも脱いでいない友宏を抱き寄せて、有無を言わせず唇を押し付けてきた。友宏は今度も抵抗できなかった。     
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