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「だってトモ、抱かれるより抱くほうがいいだろ?」  さっきまで図々しくキスしたりベッドに押し倒したりしてきたくせに、いざ上を脱いで跨ってきたと思ったら不安げにそんなことを言う。その顔が予想外に幼くて弱そうでどきっとした。長く繊細な睫毛に縁取られたあかるい瞳が俯いて揺れて、思わず顔を触ると恥ずかしそうに、嬉しそうに微笑んで、そっと頬を擦り付けてきた。 「トモのえっち」 「それ、光司にだけは言われたくない」  光司の体は細くて真っ白だ。こんな細い腰のどこに骨や内臓が収まっているのか不思議になる。触った肌は滑らかで熱くて、腰や脇をちょっとくすぐると光司は嬉しそうに身を捻った。目の前で真っ白な肌がじわっと赤くなる。触れたところがすぐに赤くなって、指先の跡が花びらみたいに見えた。明るい中で光司がパンツを脱いで、腰の上に乗っかられたままこっちも全部脱がされて、二人とも勃っていて、死ぬほど恥ずかしいのに幸福な気がした。 「トモの裸、かっこいい」 「え?」 「なんか、骨とか筋肉とか男っぽい。おれはほら、あんまり筋肉とかつかないから」  素っ裸で跨がられて恥ずかしいのに、光司は平然とした顔で言う。     
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