おみずさま

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 ある日、その「おみずさま」が壊されるという事件がありました。  夏、日差しの中で見た「おみずさま」の最後の姿は見るも無残な姿でした。社は壊され、首が飛び、胴体も半分になっていて、さらに真っ赤なスプレーで断面を赤く染めていました。  一番初めにその姿を発見したのは母でした。  その時の母の様子はとても、嘆き悲しんでいました。母は他の「おみずさま」を大切にしている人たちと一緒に、何か色々やっていましたが、当時の私は幼く、詳しくは何をしていたかは分かりませんでしたが、母はだんだんと家の事をしなくなり、朝・昼・晩関係なく、どこかへ出かけて行っていました。
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