テロボウ、晴れず

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「てめえこのクソ坊主!役にたたねーんだ、てめーは!見ろこの雨を!濡れた!俺の立派な立派な、俺が演技するためのスーツがびしょ濡れだ!文明社会でスーツほど強固なアーマーはないというのに!」 怒鳴っていたのはスーツを着ているリーマンだった。ああ、こんな怒鳴るリーマンはきっと仕事ができない。 「ああ、俺の力およばず雨ばかりになり申し訳ない!」 テロボウは雨にふやけて力が弱っていた。であるがゆえに、すぐ謝ってしまった。そうせざるをえないほどの不条理な豪雨だったのだ。 水溜まりの上で金魚がはねるレベルの雨だったのだ。
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