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「雨、降る確率は? 」
「ゼロっぽいけど。」
教室の窓から校庭を見下ろしていた千夏は家までの距離が短いからか、7月生まれだからか、あまり気にはしていなかった。それより自分の占いに納得がいかないようで、
「蟹座の『工事現場から離れて吉』ってどうゆうこと?週末は外出るな、ってか?」
まるでクラスの誰かに説明を求めるかのような素振りをした。一方私の『図書館からの負傷帰宅話』を聞いて心配してくれた麻耶は
「ビーチサンダルよりは安全装備だと思うよ。」
と置き傘を持って帰るように勧めてくれた。
ロッカーからひょっこり顔を出しているピンクの折りたたみ傘は決して重くはない。
でも、やっぱり置き傘だけにまた学校が始まったら持ってこなきゃいけない訳でちょっと面倒だ。
スマホで天気を調べたら、確かに通り雨はありそうだとは書いてあったけど、帰る寸前に決めてもいかな、ってことで。
降水確率より帰る時の空の色で決めることにした。
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