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夜の、駅のホーム。
「広瀬さん、」
私の呼ぶ声は彼に聞こえない。
それが大きく木霊していたとしても。
聞こえないのをいいことに私は彼の背中に言葉を投げかける。
「広瀬さんのことが、好きでした!」
「大好きでした!!ちゃんと過去形にするから、」
だから、なんだろう。
手話もつけて、声を張り上げ。
「あなたのことが、大好きでした」
涙に邪魔され最後は詰まってしまった愛の告白。
彼に背を向け、私はこの恋を終わらせたー。
これは、私の大切な青春を切り取ったお話。大切な、恋のお話だ。
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