第1章 恋とか愛とかなんですか

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好きってなんですか。 恋ってなんですか。 誰かを好きになるのって、そんなに偉いことですか。 17歳、当時の私は愛だ何だにうつつを抜かすヤツらを下に見て常にイライラしていた。好きとか訳分からなくて、怖かった。 「葉島さん」 ぶっきらぼうに私を呼ぶ聞いてて苦にならない低音が私を揺する。 図書室。暖かなとも、温い、とも言う空間で浅い眠りから起こされた私は酷く不機嫌だった。 「何」 さらり、肩から落ちる黒髪が酷くうざったい。イラつきながら目線を起こしそこに映る声の主を見つめた。 「もう、ここ閉めるから」 空に差し出された鍵がカチャカチャと音を立て揺れる。 ダボッとした黒のセーターに手を殆ど隠し た姿に女子かよと呟きながらのそのそと起き上がった。
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