ザマーレイン

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社長は続けて科学の暗黒面など有りがちな言説を唱えているが、聴衆は潮が引くように撤収を始めた。 気の早いマスコミは速報ニュースを配信して元祖予報機の評判を地に貶めた。 「赤ニシン弁法なんか使いやがって!」 俺のすぐ隣で元祖予報機の発明者が打ち震えている。それは本題を捻じ曲げて無関係な事実とごった煮にした挙句、真逆の方向へ結論を導くものだ。 「そういう機能じゃないんでしょ? 信じてますよ」 ニュースアプリを見ながら俺も震え声で励ました。あちこちから怨嗟とも悲鳴ともつかぬ呻きが聞こえてくる。 ここに残っている者は馬鹿高い予算を費やしたあげく手ぶらで帰るわけにはいかなくなったマスコミと賭け金を心配するギャンブラーだけだ。 「俺の金、どうしてくれるんだよ!」 浅黒い男が発明者の背後から殴りかかった。 「うるさい!」 振り向きざまにパンチを受け止め、足払いをかける。倒れこんだ男はすぐさま押さえつけられた。 砂らだけになってもごちゃごちゃと喚いている。 「うるさいのはお前だ! 降るったら、降る。必ず降る」 発明者は言い切った。 透明なプラスチックケースの内側ではポリタンクに水が漲っている。 どうしたことだろう。それがごうっと音を立ててみるみるうちに減っていく。     
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