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翌日の土曜も猛暑が続いた。
新生児の面会の時間に合わせて、病院の前で待ち合せをした。
私服の坂本は、スーツの時より若く見えた。
どうして、年齢さえさりげなく訊くことができないんだろう。そんな自分に、びっくりだ。
「工藤さん、私服だと大学生みたいですね」
頭を少しかしげながら、坂本が言った。
「そうですか?」
「同い年ぐらいかと思ってたけど、ひょっとしてすごく年下かな?」
「25です。坂本さんは?」
マジか、という表情をしたのをおれは見逃さなかった。
「おれ、30ですよ」
マジか、という表情をしたのを見られたかもしれない。
「ま、いっか、歳の話なんか」
坂本、もとい坂本さんはそう言って、歳の話題を終わらせた。
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