Chapter 1

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ナポリタンは、木の台に載った鉄板の上に、山盛りに出てきた。 「喫茶店のナポリタン、って感じだ」 「激しく同意しますよ」 今までの片思い経験から言って、自分の好みはバラバラだ。いつどんな状況で、というのも規則性がない。 今回は、あれかな、吊り橋効果。エレベーターと救急車。ドキドキすると、恋と勘違いしてしまうというアレだ。 そうだ、きっとそうだ。 それにしても、このナポリタンは美味すぎだ。これだけの量だと、途中で味に飽きたりするが、これは最後まで同じペースでいける。 でも・・ だったら原さんでも良かったじゃないか。 ナポリタンも原さんもどうだっていい。坂本さんのことが知りたい。 ー坂本さん、結婚してるんですか?ひょっとして、妊活中ですか? 「坂本さん、このあとどうします?帰るなら、送りますけど」
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