第一章 祐一郎

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でも、佳奈をベッドにおろしただけで佳奈はおきてしまうのではないだろうか? それよりもあそこに違和感を覚えていた。 とても気持ちいいのだ。 きっと俺のあそこは、佳奈と俺のおなかのあいだにはさまれている。 だから自由に伸びあがることができている。 それにしても温かく心地よい。 おなかとおなかにきれいに包まれているかのようで、思わず腰を振りたくなってしまう。 しかし、この包まれ感は知っているような気がする。 その包まれ感が、ときに締めつけときにゆるむ。 俺は佳奈の顔をじっと見た。 まつげが細かく震え、小さく空いた口から細かい息がこぼれていた。 「佳奈?」 俺は思わず声をかけてしまった。 すると佳奈は顔を持ちあげ、向こうを向いてしまった。 でも、その両手は俺の肩と胸に抱きついたままだった。 あそこが急に締めつけられ、思わず声をもらしてしまった。 俺は半信半疑ながらも、わずかに腰を突きあげた。 すると、佳奈が聞いたこともない切ない声をもらした。 それでやっと確信した。 俺はいま、佳奈と、そうなっている。 どうしてこうなってしまったのだろうか、とも思う。 でも、それよりも、佳奈が心配だった。 佳奈がどう感じているのかを考えた。 佳奈は少なくとも嫌がってはいない。 佳奈は逃げようと思えば逃げることができる。     
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