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そんな佳奈の顔を引き寄せて、俺はそっとキスをした。
夢のようなキスは柔らかくしっとりして、幸せに満ちあふれていた。
その瞬間、腰のあたりに電気が流れるような快感が訪れた。
何度も何度もあそこが震えていた。
佳奈も身体を預けて、震えに身を任せていた。
その震えがおさまったところで、佳奈は俺にキスをしてくれた。
下唇を優しく包みこむようなキスだった。
「祐ちゃん、私も。ずっと好きだった。ずっと愛してる」
そういった佳奈は俺の胸に顔をうずめた。
さっきの「ごめんね」はなんだったんだろう?
やはりこうなるようにしたのは佳奈で、そんなことをしてしまい反省したのだろうか?
確かに佳奈じゃなかったら許せないだろう。
でもそれが佳奈ならば、それは喜びでしかない。
この嬉しい時間をいかにして引き延ばそうかと考えていた。
こんな状況ですら、現状維持を求めてしまっていたのだ。
そんな俺の不甲斐なさが佳奈にこんな大胆な行動を取らせたのかもしれない。
だから俺に佳奈を責めることなんてできない。
愛おしく思いながら佳奈の頭をなでた。
「びっくりしたけど、嬉しかった。ありがとう。というか……、ごめん」
「なんで祐ちゃんが謝るのよ! 私がばかなことをしちゃったのに……」
佳奈の困り顔もかわいらしかった。
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