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おいしいそばをいただいたから部屋に行ってもいいか、と唐突に連絡してきたのだ。
もちろん大歓迎だ。
佳奈が俺のアパートに来るのははじめてではないので、お互い仕事を終えたら部屋で待ちあわせることにした。
その日はもう仕事が手につかない。
久しぶりに佳奈に会えることで浮かれていた。
その笑顔がよかったのか、いつもよりも契約が取れた。
仕事の途中で酒屋に寄り、給料日前なのに奮発して有名な日本酒を買っておいた。
普段はあまり飲まない日本酒だけれど、佳奈はそれが好きだし、ふたりとも明日は休みなのでゆっくり飲めるだろう。
そのあと上司に今日の成果を報告してから、適当な言い訳をして早めに帰宅した。
大急ぎで見られたくないものを片づけ、時間のある限り掃除をした。そこでチャイムが鳴った。
佳奈が笑顔とともに訪れた。
少しやせたかもしれない。
過労やストレスではないかと心配になる。
でも佳奈は、扉を開けた瞬間から元気にしゃべり続けた。
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