雨と先輩

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「あれ」 部室にはいるとあの彼が椅子に座っていた。 「もしかしてキミ部員なの?」 「あ、はい。もしかして部長?」 「うん。名ばかり部長ね」 〝ははっ〟て笑う。 「でも部長やっててよかったかな」 「え?」 「3度目ましてできたじゃん?」 上目遣いで見るその瞳にまた自分を持っていかれそうになる。 「な、に言ってるんですか。近藤さんに言いつけますよ」 「玲花は関係ないでしょ?いまは俺とキミの時間」 隣のイスに座るようにポンポンっと叩く。 「時間って部活ですけどね……」 トクントクンと高鳴る胸を誤魔化しながら、彼の隣に座る。 「旬とは付き合ってるの?」 「いいえ、ただの幼なじみです」 〝旬〟と呼んでいることから彼らは友達なのだろう。 同じ学年だもんなと納得する。 「俺と玲花も幼なじみだよ」 「みたいですね」 近藤さんは違う感情を持っているけど。 たぶんあたしもその感情を持っている。
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