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「俺のことどう思う?」
「……どうって」
〝どう思う〟なんてどうして聞いてくるのかわからない。
天性のたらしなのだろうか。
「たらしじゃないよ」
あたしの考えが読めるのか、彼はあたしの心の声に答える。
「でもそんなこと聞くなんて」
「だれにでも聞くわけじゃないよ?」
彼の言葉にまたトクンと胸が高鳴る。
この人といるといちいち胸が動くんだ。
おかしくなってしまいそうだ。
「……っ、そんなこと言われたって」
どうしたらいいかわからない。
あたしは近藤さんにこの前気持ちを教えられた。
「あの日からずっと頭から離れないんだよ。キミのこと」
「え……」
ふたりきりの部室。
甘い言葉。
ドキドキする条件が揃いすぎてる。
「嫌だったら止めてね」
彼の顔がすぐ横にきている。
〝いや〟なんて言えるはずがない。
だってあたしは彼が嫌じゃない。
軽く唇に落とされた……──
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