31人が本棚に入れています
本棚に追加
「ごめんね、あたし話しながらやったほうが捗るから話しかけちゃうんだ」
「好きにしたらいいわ」
呆れ顔で答えてくれる。
「近藤さんってすっごく綺麗な顔してるよね!女子って感じで羨ましい」
「あたしは鳥海さんの方が羨ましいけど」
「へ?」
高嶺の花の近藤さんに言われて、間抜けそうな声が出てしまう。
「誰とでもこうして分け隔てなく話せるの、鳥海さんのいいとこじゃない」
「あは。そう言われると嬉しい」
近藤さんの照れ隠しなんだろうな。
さっきまでの表情とか。
そう分かるととても嬉しい。
あ、鳥海っていうのはあたしのことだ。
鳥海栞。
「栞ー、終わる?」
ガラっと教室に入ってくる音と声。
「旬くん。もう少しだから待ってて」
「おう、そこにいるな」
旬くんが近藤さんにペコッて頭を下げて出ていく。
「今のは?」
珍しくあたしの周りに興味を持つ近藤さん。
最初のコメントを投稿しよう!