雨と先輩

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「幼なじみだよ。3年生」 「ふーん。あたしも幼なじみが待ってるんだ」 「へー、一緒だね」 さっきよりも話してくれる近藤さんに頬が緩む。 「あ、ハサミ忘れちゃった」 近藤さんがカバンをゴソゴソと探す。 「あ、あたしあるよ」 ハサミをかばんから出そうとする。 ふと手に触れるこの前のタオル。 あれから1週間。 あの彼には未だ出会えてない。 3年生の教室のまわりをウロウロしても出会えないのだからなかなかのものである。 奇跡なんかそう簡単には起こらないのだと感じる。 「ありがとう。あれ、そのタオル……」 「ん?」 「いや、似てるのを持ってる人を知ってるから」 「……そっか」 早くこのタオルの彼に会いたい。 「鳥海さんはさっきの幼なじみの人が好き?」 「え!?まさか!そんなことないよ!」 突然の質問にびっくりしてペンを落としそうになる。 好きだったのは過去の話だ。
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