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「あたしは好きなんだぁ」
そう話す近藤さんの顔は見た事のないぐらい可愛かった。
「そうなんだ。いいじゃん」
こんな顔ができる相手あたしにはいない。
たぶんはあの彼だろうけどきっと会えない。
「これ切ったら終わりだよ」
「うん。あたしもここ書いたら終わる」
ふたりとも作業が終わりに近づいてた。
「鳥海さんってあたしみたいなあまり話さない人まで話せちゃうのほんと尊敬するよ」
道具を片付けながら急にそんなことを言いだす。
「なに急に。近藤さんの女の子らしいところあたしは尊敬するよ」
なぜかふたりで尊敬できる部分の言い合いになってた。
「帰ろうか」
ドアに手をかける。
「お、おわったんじゃね?」
「ほんとだ」
旬くんともう1人、たぶん近藤さんの幼なじみだろう。
声が聞こえた。
「旬くん「謙信」
あたしと近藤さんの声がハモる。
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