第一章 私の価値とは

1/1
31人が本棚に入れています
本棚に追加
/15

第一章 私の価値とは

「今日も遅くなるから。じゃ、お金置いとくね。」 「…はい。」 バタン、という戸の音を最後に、母は行ってしまった。きっと、男のところにでも行くのだろう。呆れる。 ゆっくりと外に出る時用の服に着替えて、私は外に出た。 「うわっ!遠野菌に触れた!サイッアク!」 「うわっ、こっちくんなよー(笑)。」 学校では、いつも男子達がそう言って笑っている。私はいい返さずに、ただ黙ってじっとする。女子は、助けるどころか、見ていて楽しんでるという感じだった。 「…………バカらしい。」 ボソッと言ったのが聞こえたのだろう。みんな、シーンと静まり返った。 私は生きのない目で、全員を見た。 どうしてだろう。目が悪いわけではないのに、一人一人の顔が黒く塗りつぶされている気がする。 はっきりと認識できないのかもしれない。あるいは、存在を消したいがために、私の目にそううつるのかもしれない。 みんなは、何かを言っている。 私は、聞こえなかった。 ぼーっと、彼らを見ることしかできなかった。 まぁ、家もアレなのに、更に学校でも嫌われてるって。 我ながら、どうかしている。 私なんて、生きていても意味ないよね? だって、誰からも必要とされていないもの。 クラスの奴らといえば、ただ憎い。 殺したい、とかも思ったことがあるが、そんなのはできるわけがない。 だから、代わりに私が消えたほうが、みんなのためになると思う。 …………人生つまらなかったなぁ。 私は、いつの間にかデッキに着いた。そこの手すりに、手を置き、足を無理やりあげる。そして、手すりの上に立った。下には、車が走っている。 「……死んだほうが、マシかもね。」 そう言って、私は前のめりに落ちた。
/15

最初のコメントを投稿しよう!