千穂
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「ちーちゃん」 斗真は震えていた。 斗真の足元の枝がミシリ、と鳴った。 「ちーちゃん。どうしよう」 「斗真、頑張って」 木の真下に行ったその時だった。 斗真が両手で持っていた枝が折れた。 スローモーションのように斗真が足を滑らせた。 真下で見ている私は息をするのを忘れて斗真を見入っていた。 そして――。
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