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食事の部屋も和室だ。
どこも立派なお部屋にお庭。
雨宮さんはテーブルの上に、ご飯の準備をしている。
「今すぐ準備をしますので、寛いでいてください」
私はなんとなくテーブルに置いてある新聞に目がいった。
なんだろう?
何か違和感を感じる。
「えっ…」
私はある箇所を見て言葉を失った。
『昭和53年』
新聞の発行日が昭和53年になっていたのだ。
まさに今、新聞が届いたばかりというような綺麗さ。
40年前?
でも40年前の新聞がこんなに綺麗なわけがない。
私の頭は混乱していた。
どういうこと?
準備を終えた雨宮さんが、私の様子がおかしいことに気付き声をかけてきた。
「どうしました?そんなこの世の終わりみたいな顔をして」
「…あの…変なことを聞くかもしれませんが、今って何年ですか?」
「その新聞に書いてある通り、昭和53年ですが?」
嘘でしょ?
まさかタイムスリップ?
そんなことが現実に起こるわけないよね?
それとも夢?
「本当ですか?私を騙そうとか。何か映画の撮影とか」
雨宮さんは訝しげな顔をして、
「本当ですよ。騙す必要なんてないでしょう?正真正銘、昭和53年です。むしろあなたが、なぜそんなに驚いているのかがわかりません」
雨宮さんは真剣な表情で嘘をついてるようには見えない。
…本当なの?
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