22人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねぇ知ってる?今日神社で夏祭りやるんだって」
「夏祭り?」
倫太郎は彼女の夏希との電話で夏祭りの話を聞いた。
「せっかくだから行こうよ」
「そうは言ってもさぁ」
倫太郎は窓の外を眺める。思ったより小雨だったけど、正直行く気にはなれなかった。
「だって夏休みなのに全然夏休みっぽいことしてないじゃん!」
「でも雨だし」
「じゃあいい!悠人君と行くから」
悠人!?最近夏希に近づいてるって噂の?
「ちょっと待てよ!なんでアイツと行くんだよ」
「だって誘われたんだもん。私は行きたいし、倫太郎が行かないなら別にいいでしょ」
おいおい、いい訳ないだろ。そう思い必死に説得を試みるも、結局、夏希の意思は固いようで倫太郎は夏祭りに行くことした。
出かける準備ができ、一階に降りると親父とオフクロも出かける準備をしていた。
「どっか出かけるの?」
「ああ。神社で夏祭りがあってな。商店街の連中が参加しろってやかましくてな。お前は?」
「友達の所かな」
オフクロから「あんま遅くならないように」と念を押されてから俺は家を出る。
思ったより降ってない。でも面倒臭えなぁ。
そんなことをぶつぶつ文句を心の中で呟きつつ、倫太郎は傘を片手に雨の中、自転車を漕ぎ始めていった。
最初のコメントを投稿しよう!